なろう、転生、悪役令嬢から見る社会停滞
皆さんはブログや『小説家になろう』から発展したなろう小説をご存知でしょうか?
なろう小説とは、誰でも好きなジャンルで商用、非商用関係なく、書くことが出来る小説です。
しかし、そんな小説の中で、最もポピュラーとなっているジャンルは、いわゆる『異世界転生』『悪役令嬢』ものでしょう。
異世界転生とは、いま私たちが現在クラス世界、もしくはそれに準ずる世界で、死亡、または違う世界の人間に呼び出されることによって、違う世界の住民へと生まれ変わることを指します。
基本的に異世界転生した人間(主人公)は、チート能力(常人とはかけ離れた力)を持っています。
悪役令嬢ものはとにかく悪役令嬢(いわゆる、ヴィラン)側を主人公とした物語で、そこから自由に物語が進みます。
いや、悪役令嬢である必要ある?
なんて思う人もいるでしょうが、あくまで強い立場で、自由に動くことが出来るというのが魅力でしょう。
流行り始めてかれこれ、四、五年ぐらいでしょうか?
実のところ、私もいつから流行り始めたのか、詳しくはわかりません。
ただ、昔から似たような設定が存在したことは確かでしょう。
特に最近は異世界転生、悪役令嬢の人気は顕著です。
まったく同じものが設定を微妙に変えて、何百、何千と書かれ続け、今もなお人気なジャンルでしょう。
もう飽きたよ。
なんて言う人も多いことでしょう。
しかし、
そんなジャンルが流行ってしまった背景には、現代の日本社会が衰退しているということが考えられるのではないでしょうか?
きちんとしたデータはないのですが、なろうの読者存在は三十代から四十代が多いと言われています。
具体的なデータもないので、全部私の妄想ですが、現代社会の闇が見える気がしてなりません。
――働き盛り世代の現世界離れ。
みんな別の世界で、新しい人生を求めているのかもしれない。
人生に悲観して、現実を見ずに、次の世界を夢見る。
今を変えるなんて考えないのかもしれない。
そうだとするなら、現代社会は停滞しているとも取れるでしょう。
変わらない世界は存在する意味がない、とまではいいません。
ですが、停滞が終わらなければ、いつかは滅びるかもしれない。なろう小説にも言えることですが、変わらなければ、いつか飽きられることでしょう。
これからの社会では、一人一人が停滞を解き、進化を遂げることが求められるでしょう。
そう出来る社会を作っていくのが、今の日本における課題なのかもしれません。